結婚にまつわるさまざまな方にインタビューする「シアワセバトン」。
その第一弾として、1,000組以上の新郎新婦の声に耳を傾けてきた人気ウェディングプランナー・有賀明美さんに幸活(コウカツ)にまつわるお話をお伺いしました。今回はその後編をお送りします。
【スペシャル対談 ‐前編‐】テイクアンドギヴ・ニーズ ウェディングアドバイザー 有賀明美 × エン婚活エージェント 代表取締役社長 間宮亮太
間宮:コロナ禍もそうですが、今は本当に何が起こるか分からない世の中というか。予測が難しい時代になっている中で、昔みたいに結婚してこそ幸せという風潮は、もうないじゃないですか。
有賀:そうですね。
間宮:でもあえて結婚するという選択をするんだとしたら、相乗効果で二人の人生がより豊かなものになっていかないと、もったいないというか。一組でも多くそういう夫婦が増えていくと、本当に世の中全体も変わっていくんじゃないかなと強く思っているので。うん。
有賀:本当にそう思います。20年前にウェディングをお手伝いした方たちとつながっていて。子ども2人が大きくなってきて、奥さんは全部ワンオペだから、旦那さんに対してもっとこうして欲しいとかがあるんですね。
でも話を聞いていくと、旦那さんは旦那さんで、一人でお店を経営していて、家族を守るためにがんばって働いてる。「もしかしたら彼も家族を守るために一人闘っていて、孤独なんじゃない? それに対して、パパありがとうねって言葉で伝えてる?」って聞いたら、「伝えてない」と。
離婚寸前だったご夫婦が対話で絆を修復。間もなく結婚20年、関係はとても良好です(有賀)
間宮:子どもができると、夫婦の会話はどうしても子ども中心になりますよね。
有賀:そうなんです、なので結婚15周年のタイミングだったかな。子どもを預けて、二人でお食事してじっくり話し合ってみたらって提案したんです。そうしたら、もうお互いぽろぽろ泣きながら思ってること伝えたそうで。
奥さんはもう自分は愛されてないと思っていたけれど、その愛情が実はあったことに気づいたし、「朝起きたらね、お風呂掃除してから仕事に行ってくれてたんだ」って話してくれて。それで「パパ、忙しくて疲れてるのに、お風呂掃除してくれてありがとね」って伝えたら、「ああ、またできるときやるよ」って、ちょっとうれしそうだったんですって。
もうすぐ結婚20年になるんですけど、(二人の関係は)今はめちゃくちゃ良好です。
間宮:二人の対話がきっかけになった。
有賀:一時は離婚も考えてたほどだったんです。でも、日々の対話で、本当はありがとうと思ってる、本当は愛情があるってことが気づければ、安心して夫婦ってやっていける。そんな、ちょっとしたきっかけがないまま終わってしまってる夫婦もいて。
間宮:どちらかが一方が悪いってことはあんまりないと思うので、話すことで解決できることは多いですよね。
プロフィールだけが、その人のすべてじゃない。互いを理解する努力はより必要かもしれませんね(間宮)
有賀:ここ最近、披露宴の新郎新婦のなれそめでも、婚活サービスを通じて出会ったことを隠さず言うようになってきました。
間宮:婚活サービスに対するイメージが徐々に変わってきてますよね。
有賀:出会いのカタチが広がるのは、すごくいいことだと思います。でも気軽な分、喧嘩なんかをしないまま結婚に至っているカップルが増えてるのも事実で。恋愛して結婚という方たちは紆余曲折を経ているけれど、婚活婚の方たちはトントントンってきてるから、ちゃんと向き合う時間っていうのは他のカップル以上に必要かなとは思ってます。
間宮:結婚という目的が一致してるので、ぶつかりにくいというところが盲点というか。
有賀:世の中、「プロポーズして欲しいのにしてくれない」っていう葛藤を経てる方たちがやっぱり多いですから。
間宮:で、そこで考えますもんね、本当にこの人でいいのかな、やっぱり違うのかなって。そこが大事ってことですよね。
有賀:婚活婚は、楽しい結婚準備期間になる方たちが多いんですけどね。ただその分、相手の価値観の奥にある、今、出てきてない価値観というか。そこをちゃんと擦り合わせてもらいたいなと。半年くらいでぽんと結婚までたどり着いちゃうことも多いので、ちょっとでも互いを知り合う時間を多くつくることが、他のカップル以上に必要になってくるかなとは思いますね。
間宮:婚活の場合、プロフィールがあるのでそれですべてを知った気になりやすい。飲み会で出会った時に職業は聞けても、年収とかって、それこそ結婚を意識した関係にならないと聞けないじゃないですか。
でも婚活だと最初からわかっているし、「自分はこんな人」と性格も書いてあれば、わざわざお互いのこと理解しようっていうことをしないままいっちゃうパターンは少なくないと感じています。その理由で、対話のきっかけづくりを始めたところもありますね。