2023/02/21

「生まれ変わったら……」という先よりも、 “今”の毎日を大切に楽しみたい。 アウトドアライフで夫婦の、家族の絆を深める モデル・AYUMIさん

それぞれ好きなことをしていても。焚火を囲んで同じ時間を過ごしているだけで、幸せ

子どもたちが多感な時期に入ってからは、ずっとスマホをいじってる時もありますよ。でも、それも含めて彼らの“今”なのかなと。何もないところから自分たちで場所を作って、周りにはほとんど人はいなくて。焚火を囲んで過ごしている時間は、もう本当にスペシャルなんです。

あの特別な感じは、都会では体験できないですよね。家に帰ってからも、ふとした時に子どもたちから「なんか窓開けてたら、キャンプのときの匂いがするね」とか、「冬の朝の匂いがするね」とか、そういう言葉がたまに出てくるんです。

自然の中で過ごしていると、普段の暮らしの中でも、その空気感や匂いなんかを見つけられるようになるんですよね。暮らしが豊かになるのを感じています。だから、それぞれ好きなことをしていても、たいした話をしなくても、同じ時間を過ごしているだけでもう十分。夫はよく、「幸せだね」って言ってますね。

星々が瞬く漆黒の空の下、焚火を囲んで過ごす時間は、都会では味わえないキャンプならではのスペシャルな時間。

 

頼れる実家が遠かったからこそ、子育ては自然と協力するように

幸せと言えば、2年前から畑を始めたんですよ。作業の時間が本当に気持ちがよくて、いつも幸せな気分になれます。夫も私も、畑作りは初めて。二人で毎月出かけているのですが、都内から車で1時間半ほどのドライブデートです。車内では何を話すわけでもないんですけどね、楽しいですよ。ふふふ(笑)。でも、30年も一緒にいれば、私たちなりの大変な時期もありました。

子どもが生まれた時、二人とも北海道出身なので、助けてくれる人がいなかったんですよね。それまでケンカらしいケンカはしたことがなかったのですが、子育てが始まってからは、気にせず一人でやっていた家事も、「あれ?なんで私だけ?もっとやってよ」みたいになって。でも、相手のできないことをお互い言い合わないようにはしてました。もう、しょうがないじゃないですか。

元々、私も夫もうるさくないタイプなのかもしれないですね。そんな中で、自然とお互いに歩み寄って、協力できるようになっていって。子どもが小学校に行くようになる頃には私も仕事を再開していたので、放課後は手の空いている方が面倒をみたり。家事も、洗濯ものを干したり、畳んだり、できることはやってくれるようになりました。

今の夫婦ゲンカは、子どもをどっちが叱るかのなすりつけ合い(笑)。私も夫も、ぜんぜん怒れないタイプなんです。夫は私に輪をかけて甘いので、「迎えに来てー」「送ってー」って、娘にアッシーのように使われてます(笑)。

子育てがひと段落し、新たな楽しみも。2年前から始めた畑作りの時間は、1時間半ほどのドライブも含めて夫婦二人の大切な時間に。

 

これからの人生のテーマは、夫にまた目を向けて一緒に楽しむこと

私も、もうすぐ50代。昨年の結婚20周年も、子どもたちの進学も含めて、節目だなあと感じていて。畑もそうですが、モデルなのにずっと行けていなかったスポーツジムにようやく入ったり、いろいろ新しいことを始めています。子どもが小さい頃は無我夢中だったけれど、40代に入ってくらいかな、人生ってけっこう速いなって。その時々を楽しまないともったいないなって、すごく思うようになったんですよね。今を大切に、楽しんで生きようって心から思います。

子どもたちはお弁当を持って行っているし、意外とやることが多くてまだまだ忙しいのですが、そろそろ夫にも、この目をまた向けたいなって。女友だちと遊ぶことと、やっぱり夫との時間を楽しむことが、これからの私の人生のテーマなんです。

30年間一緒に過ごしてきて、夫は一番の理解者だと感じるし、うーん何と言うか……そう、“いなくちゃ困る人”かなあ。子どもも大事だけれど、一番いなくちゃ、横にいてもらわなくちゃ困るのは夫なんです。根がね、本当にやさしい人なんです。もちろん怒ったりすることもあるけれど、意地悪なところがないから。

夫にも、子どもたちにも、愛情と感謝だけは忘れないでおこうって。「生まれ変わってもまた一緒に」という先のことまでは考えられないほど、今を大切に過ごしたいから。今世は、絶対にずっと一緒にいたいし、いてもらいたい。それは自信をもって言えますね。

PROFILE:AYUMI

1974年生まれ、北海道出身。人気モデルとして、さまざまな雑誌、テレビCMなどで活躍。11女を出産後は、モデルとしてだけでなく、食やアロマの資格も取得。キャンプや登山、畑作りなど、家族の趣味であるアウトドアライフをはじめナチュラルなライフスタイルが共感を呼び、活動の幅を広げている。夫はフォトグラファーの田中信吾さん。