2022/08/22

「おいしいものは、僕らの切り替えスイッチ」。 料理家・ぐっち夫婦のTatsuyaさんに聞く“料理円満”のヒケツとは?

簡単にできておいしい! SNSで大人気、今やテレビや雑誌からも引っ張りだこの料理家・ぐっち夫婦。

今回の「シアワセバトン」は、仲の良さでも知られるお二人のシアワセ夫婦のヒケツを、ご主人のTatsuyaさんに伺いました。

「料理家になりたい」、妻・SHINOさんの夢がいつしか自分の夢に

料理し始めたのは、高校生ぐらいだったかな。両親も食べることが好きで、子どものころからいろいろなお店に連れて行ってくれてたんですよ。その中で、「この料理、自分で作れたらいいのにな」って考えたのが料理をやり始めたきっかけですね。

イタリア料理とスペイン料理を中心に提供する地元の小さなお店で大学生の4年間くらい働かせてもらっていて、基礎から全部教えてもらっているうちに、料理がどんどん楽しくなって。でも料理家になるつもりはぜんぜんなかったんですよ。これまでの仕事はずっと広告系。でも転職した先で、うちの奥さんに出会って。彼女は栄養学を学んで、食品メーカーに就職してと、基本的にずっと食の畑の人。付き合い始めのころに、料理家を目指してることを聞いて、「じゃあ一緒にやろうか」と。なので、彼女の料理家になりたいっていう夢が、一緒にいる内に僕の夢にもなった感じですね。

それからインスタを始めて、あれよあれよという間に書籍を出したり、テレビや雑誌にも呼んでいただくようんになって。結婚して今年で5年目。仕事もプライベートもなく365日、ほとんど一緒に過ごすような毎日です。

ケンカしたら、とりあえず外食。おいしいものは僕らの切り替えスイッチ

よく「ずっと一緒にいるの大変じゃないですか?」って言われますが、ケンカってほとんどしたことがないんですよ。とくに夫婦間のことでは意外となくて。僕が洗濯をSHINOさん任せにしてしまう日も多いとか、服を脱ぎっ放しにするとか、旦那さんがやっちゃうあるあるで「ちゃんとしてよ」くらいは言われますけど(笑)。仕事のことではヒートアップすることもありますが、そんな時はお互い料理は作らず、おいしいものを外に食べに行って仲直りするっていうのが僕ら流。まあだいたい僕が反省しなきゃいけないことばかりなんで、こっちがおごって「ごめんね」って感じになりますけど(笑)。おいしいものを食べていると、「まあいいか~」みたいに僕らはなるんです。

料理家を始めたばかりの頃、まだ二人とも会社員をしながら1冊目か2冊目の書籍を出した時だったかな。お盆休みを利用して数日間で100品撮影しなくちゃならなかったんですけど、慣れていないし、数は多いしでお互い毎日余裕がなくなっちゃったことがあって。その時は、撮影の間の日に気分転換を兼ねて、焼き肉食べに行きましたね。とにかくよく行きました、あの時は(笑)。ネガティブな気持ちが長引かないという二人の性格もあるとは思いますが、おいしいもを一緒に食べることが切り替えスイッチみたいになってるのかな。

同じ趣味を持たなくても、パン屋までの朝の散歩で楽しい時間を共有

こんな世の中になって、接する時間がぐっと増えた夫婦も多いんじゃないかと思います。僕らはそもそも一緒にいる時間が長いですが、気づくと常にいろいろなことを話してますね。二人ともとくにおしゃべりというわけではありませんが、理解し合おうという気持ちは強いかもしれない。それに飽きないんですよ、ぜんぜん。これだけ一緒にいても、知らなかったことも出てきますし。この間も散歩した先で「久しぶりにバドミントンやりたいな」「久しぶり??」ってなって。SHINOさんがバドミントン部だったこと、初めて知りました(笑)。そんな発見があるのもおもしろいですよね。

両親の世代と違って今の夫婦それぞれ仕事を持っていてキャリアプランもあるだろうし、趣味もあるだろうし。うちは、フェスだったりアウトドアだったり僕は趣味が多いけれど、SHINOさん、あんまりアウトドアには興味がないんですよ。だから最初のうちは汚れるとか虫がいるとか、暑いとか言ってました(笑)。最近は楽しめるようになってきたみたいですが、強要はしないですね。そこはお互い干渉し過ぎない方が今っぽい夫婦なのかなと。SHINOさんは料理の研究も兼ねて、いろんなお店にご飯を食べにいくのが趣味なので。それぞれの時間を有意義に過ごすことも大切にしています。僕がたまについて行ったりもしますね。

もちろん、一緒に楽しめることがあるのは幸せだと思うので、うちはジムに行ったり、休みの日の朝においしいパン屋さんに行って公園で食べるとか。そんな毎日のルーティンのレベルでも十分に楽しい。僕らは仕事が料理家というのもあるので普通の家庭よりも食がさらに中心にはあるんですけど、それを抜きにしても、二人で料理することも楽しんでますね。食べるってまさに毎日のルーティンだから、料理を一緒にやってみるっていうのも、趣味より気軽にできていいかもしれませんよね。