日比野：我々の結婚がもうすぐ25年だから、息子ももう22歳か。
前田：最近の息子は、ご飯の時しか部屋から出てこないけど。
日比野：ピンポーンってね。チャイムで子どもを呼び出してる（笑）。
前田：ああ、ガチャガチャで当たったおもちゃの、ファミレスで店員さん呼ぶやつね。「ご飯できたよー」って何回呼んでも出てこなくてストレスだったから、面白がってピンポーンって知らせてるんだよね。本当に便利（笑）。
息子が小さい頃から、子育ては二人で一緒に。苦にならないどころか、むしろ楽しかった（日比野）
日比野：結婚して、子どもが生まれたのがその2年後で。なんか、その頃から仕事がうまく回り始めてきたんだよな。あなたも『STORY』に抜擢されたりして。僕も俳優メインの事務所を離れてから、またモデルの仕事も増えてきて。子どもを保育園に預けるのはどっちが行く？とか、どっちが迎えに行ける？とか。忙しい中、子育ては小さいころから二人でやりくりしてた。
前田：ちょうどアラフォーブームでね。『STORY』は海外ロケもたくさんあったから、1週間家を空けることもよくあったしね。同じモデルの仕事をしてるから、互いの仕事には理解がある。なんでそんなに遅くなるのかとか説明する必要がなかったし、仕事にも集中できた。息子の世話も、親が来てくれたり、姉が来てくれたりすることもあったけど、玲さんだけでも心配してなかったよ。
日比野：会社員じゃないから、平日の昼間でも仕事が入らない日もあるし、小さいころから関われたのはラッキーだったね。ほかはわからないけど、うちは育てやすい方だったんだろうな。
前田：性格の良い子に育ってくれたね。幼い頃も誰に預けても扱いやすいいい子だった。ママ同士の助け合いも大きかったし。
日比野：子育てでぶつかることもなかったね。どう育てたいとか、そんなにポリシーもなかったし。
前田：そうだね。ぶつかることはないね。
日比野：子どもの世話は全然苦にならなかった。むしろ楽しかったな。
前田：うん、子育ては本当に楽しかったね。反抗期もあまりなかったし。幼い頃は小さな恋人だった。今は母の誕生日を忘れずお祝いしてくれるやさしい子！
日比野：僕にとっては、もう分身みたいなものだからね。ついつい、自分がこの歳の時はどうだったとか、こうだったとか言いたくなっちゃうけど。
前田：家族で食事する時は、友だちや彼女の話とかもよくしてくれるし。私が玲さんに初めて会ったのが22歳だから、もうそんな歳になるんだなって思うと、ちょっと感慨深いな。
他人同士が一緒になる結婚生活は、お互いの歩み寄りが大事。お掃除は……ありがたいなって思ってます（笑）（前田）
日比野：子育てはさておき、家事は……あなた、あまり得意じゃないよね（笑）。
前田：えー、食事はけっこう私が作ってるじゃない。玲さんは、ほら、お掃除が得意だから。大好きじゃない。
日比野：大好きっていうか、がまんできないんだよ。やらざるを得ない。
前田：本当はもっとやって欲しいんでしょう？ 隅々まで。
日比野：まあ（苦笑）。でももう、自分でやったほうが早いってなるよね。
前田：それが得意不得意ってもんじゃない？ 得意な方がやればいいのかなと。
日比野：まあ僕は家事全般得意だからね。
前田：もう結婚前から、同棲中から変わらないよね。
日比野：若い時はね、多分思ってたよ「もうちょっと何とかならない？」って。ストレスも感じてた気がするし、実際言いもしたけど、逆ギレしちゃうからね。
前田：あはは（笑）。
日比野：もうね、面倒だから、自分でやったほうが早いってなるという。年を取るに連れて、全部飲みこんじゃった感じ？ お互いちょっとずつ妥協しあってね。
前田：結婚は他人同士が一緒になるわけだから、そういう歩み寄りがね、大事よね。
日比野：そうね、歩み寄りと言うか、相手に寄せていくと言うか。って、あなたがそれを言う？（笑）。
前田：きれい好きだし、几帳面だし。ありがたいなって思ってます、ちゃんと（笑）。
PROFILE：前田典子
1965年生まれ。マチュア世代にカリスマ的人気を誇るファッションモデル。愛称はマエノリ。オリジナルファッションブランド「Rejoove」のプロデュースやコメンテーターなど、テレビやCMまで多岐にわたり活躍。
PROFILE：日比野玲
1961年生まれ。メンズファッション誌の人気モデルの先駆けであり、現在も雑誌やブランドのアンバサダーとして活躍。俳優としても数多くの作品に出演し、台湾にも進出。近年はバラエティ番組に夫婦そろっての出演も多く、飾り気のないトークに人気が集まっている。
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