2023/04/03

世界的に活躍する妻の仕事を 夫が家事・育児でサポート 互いの深い愛と信頼の裏側にある 澤田知之×岡嶋かな多夫妻のアナザーストーリー

BTSやTWICE、嵐など、数々の人気アーティストに楽曲を提供。世界的に活躍する音楽プロデューサーの岡嶋かな多さんと、夫でフリーランスPRの澤田知之さんが、シアワセバトンに登場です。

夫自らが妻を“天才”と尊敬し、出産を機にフリーランスになることを決断。まだまだ、働く夫&支える妻の図式が根強い今、「妻の活躍を、特等席でずっと見ていたい」という思いが、夫婦の、家族の幸せにつながるまでのアナザーストーリーを追いました。

 

「かな多と初めて会った飲み会。検索したら、すごい実績がぶわわわわわーって。場の雰囲気が『ヤバい』ってなった(笑)」(澤田)

澤田:初めて会ったのは、僕がまだPR会社にいて、その時に入ってた勉強会の飲み会。それぞれの業界の一線で活躍してる講師の人が出したお題に、みんなで企画出ししていくって内容だったけど、音楽を作るっていう回の最中に飲み会があって。誰も経験者がいなくてどうする?って話になった時に、メンバーの一人が連れてきたのが、かな多だった。

岡嶋:作詞の学びを深めたくてコピーライティングの学校に通ってた時に出会った友人が、サワディー(編集部注:澤田知之さん)が入ってた企画の勉強会の仲間だったんだよね。

澤田:その子が「“岡嶋かな多”って検索してみて」って。実際検索したら、最初に出てきたのがウィキペディア! 内容見たらすごい実績がぶわわわわーって。

岡嶋:(笑)。

澤田:もうね、すごい人くるぞって。場の空気が「ヤバい」みたいなさ。僕の音楽業界の人のイメージはね、誤解を恐れずに言うならオラついてる人(笑)。女性だったとしても、ジャラジャラしたネックレスして、わかりやすい服着て「すごいですね~」みたいな話ばっかりするんだろうなって勝手に思ってた。

でも実際に会ったら、マウンティングなんか1ミリもなくて、かな多は自分の話よりも、みんなに質問してたじゃない? めちゃくちゃ失礼な先入観だったな、素敵な人柄だなと思ったのが第一印象。

岡嶋30代の集まりだったから「同世代の新しい友人ができたらいいな」くらいのつもりで、いつも通り楽しく飲もうと思って参加しただけだったんだけどね。その中で、明るくてよくしゃべる、元気なハンカチーフの人がいるなーって思ったのが、サワディー。首に巻いてたよね、ハンカチ(笑)。

澤田:スカーフです(笑)。その話、好きだよねえ。大人数の飲み会だったし、その時はお互いにね、特に何も思ってなかったよね。

 

「それまでの恋愛は、なかなか自分らしくいられなくて。最初から素を出せたサワディーとの出会いが、自分の殻を破るきっかけになった」(岡嶋)

岡嶋2回目に会ったのは、サマーソニックに行く電車。偶然一緒になって、じゃあ私が担当してるアーティストさんのステージをみんなで見に行こうってなったんだよね。

澤田:めちゃくちゃ飲んでたよね、かな多(笑)。

岡嶋:そうね、朝からテキーラとかガンガンね。ダンスミュージックだったから、すっごい踊ってたし。で、横見たら、ほぼ素なのに、私以上に「ウェーイ!!!」ってなってるサワディーがいて(笑)。私はやっぱり音楽が好きだし、ましてや自分が作ってる音楽を子どもみたいに夢中になって楽しんでる姿を見た時に「面白いひとだな」って意識したのが最初。

それまではお付き合いしてる時に、自分らしくいられたことってあまりなくて。しかも年を重ねるほど、「日本人女性は慎ましくなくちゃ」とか、「女性らしくしなきゃ」とか思うようになって。朝からテキーラ飲んで踊り狂ってるより、「うふふ」みたいな雰囲気の方が、そりゃあかわいらしくて素敵だよねって思ってた。自分をちょっと曲げたり、演じたりしないと好いてもらえないんじゃないかって思い込みが、けっこうあったんだよね。

でも、あの時はサワディーのこと好きになるって思いもしなかったし「とにかく楽しもっ」って。ある意味、恥ずかしいところを全部見せちゃった感じ(笑)。自分の殻みたいなものを打ち破るきっかけにもなったのが、あの夏フェスだったのかもしれないな。

澤田:そんなかな多を、僕は普通に見てたけどね。めっちゃ楽しそう、それがフェスじゃん!って。その後もまた別の飲み会で一緒になって。それが付き合うようになった大きなきっかけかな?

岡嶋:そうだね。恋愛の価値観みたいな話になった時に、「自分の概念を飛び越えてくれるような人が好き」みたいな話を、サワディーがしたのがすっごい印象的で。

澤田:「料理が得意な人」とか「誰々みたいな顔が好み」とか、割と言いがちかもしれないけど。そういうのは全くなくて、自分の考えにないようなことをしちゃう人に、すごく魅かれるんだよね。共感を得られた試しがないけど、よく言うのは、同棲を始めて、最初に買う鍋が本格的な「中華鍋」の人! 先に買う鍋、もっとほかにあるやろ!って突っ込みたくなるような(笑)。

岡嶋:伝わらないよね~その例え(笑)。

澤田:僕は、とりあえず100均で買うタイプだからさ。別に鍋の話だけじゃなくって、日常にある些細なことも、自分じゃ選ばないような選択をする人って、僕にはないものを絶対、持ってるから。隣にいて同じ景色を見てても、映ってる世界が違ったら面白いよねって気持ちがあるんだよ。

 

「『かな多が気になってるみたいよ』って聞いて、急に男心に火がついた。好きになってくれてるって、もうこれ恋じゃん!って」(澤田)

岡嶋:私はチャレンジする自分やそんな人生が好きだから、サマソニの時と「自分の概念を~」って話を聞いた時に、「あれ? こういう人と一緒にいたら、私は幸せなんじゃないかな」って、急に気になり出して。いつもの恋愛とは違ったんだよね。恋愛だけじゃないけど、普段はパッとね、見た瞬間に「これ!」って決められるタイプなんだけど。

澤田:メニュー決めるのとかも、めちゃくちゃ早いもんね。

岡嶋:洋服も、「ないな」って思ったら、お店をすぐ出ちゃう。そういう私にしては、サワディーに対しては3回目でやっとちょっと意識したくらいだから、そこもいつもと違ってたんだよね。

澤田:僕は3回目の飲み会でも、全然だったなー。でもその日2軒目に行った時に、何回も眼鏡取られたじゃない? それ自分で掛けてみたりとかさ。めっちゃイジってくるやんって思って。

岡嶋:あはは(笑)。酔っぱらってたからねー。眼鏡外したら、顔、悪くないなって思ったんだよ。なんか印象も違ったし、思ったより整ってるなーって。すみません、偉そうで(笑)。

澤田:しかも、「お疲れっす」みたいな感じで、眼鏡の取り外しでその日は終了(笑)。その後に共通の友だちが僕に伝えてきたんだよね、「かな多が気になってるみたいよ」って。そう言われて、急に男心に火がついた。好きになってくれてるってことは、もうこれ恋じゃん!やばっ! みたいな。それからは速かったよね。すぐにデートに誘って、年末年始にはプロポーズしてたんだから。

岡嶋:初めて二人だけで会った時に告白されて。そこからダダダダっとね。