過去の失敗を踏まえて、すり合わせは合理的に
―そこから結婚に向けて、どんな話をされましたか?
Sさま:ネットから“価値観のすり合わせシート”みたいなものをダウンロードしたよね。
Kさま:「家事に自信はあるか」「どういうふうに仕事をしたいか」「子どもは欲しいか」みたいな質問が100個くらいあるやつね。Googleミートでつないで、僕がドキュメントに書き起こしながら2人で答えていきました。
―実に合理的なすり合わせ方法ですね…!
Kさま:お互いもういい年齢だし、婚活期間も長くなっていたので、様子見する時間がもったいなくて。
「どうしてもこれだけは譲れない」ということがあった場合に、どちらかが寄り添えるのか、それとも妥協できないのか。仮に妥協できなくても、違いを理解して一緒に暮らしていけるのか。
そういう部分を探る期間だったのかなと思います。
Sさま:お互い「前の人とはぶつかった経験」があったから、心配だったんだよね。
―お互い、過去の恋愛は何が原因でぶつかったのでしょうか。
Sさま:私は「結婚したら楽になる」と相手に言われたことが引っ掛かりました。結婚ってむしろ責任が強まるものだと思うので、「そんな考え方で大丈夫?」と怖くなって…。
Kさま:僕は住む場所や経済的な考え方ですね。何回話してもお互いの妥協点を見つけられず、議論が平行線になってしまって。終盤は会うたびに厳しいことを言われました(苦笑)。
そういう過去があったので、一緒にいて居心地の良い彼女に惹かれたんだと思います。
決意が固まったら、最短スケジュールで結婚へ
―成婚の気持ちが固まったのはいつですか?
Kさま:2人ですり合わせを終えたら、どの項目についても受け入れるか妥協するかで話はついて。それで「あれ、もう何の障害もないじゃん」となりました。
Sさま:私は一緒に私の両親に会ったとき。最初は結婚を反対されていたんですけど、そのときの両親の反応を見て「これでもう安心して先に進めそうだな」と思いました。
―成婚後の流れについて教えてください。
Sさま:成婚退会してすぐ「じゃあどこに住む?」という話になったよね。
Kさま:すべてを最短スケジュールで進めたからね。まずは入籍日を決めて、「じゃあここまでにはお互いの両親と顔を合わせないと」と逆算していって。一緒に住み始めたその日に、新居でプロポーズをして。
―そのプロポーズは前から決めていたのですか?
Kさま:いつどこでやるかはずっと考えていましたが、決めたのは1週間前です。船上でとか道の真ん中でとか、芝居がかったプロポーズは自分にはやっぱりムリだと思って(笑)。引っ越し当日にバラの花束が届くように手配しました。
役割分担をしつつ、お互い心地よい空間づくりを
―お二人がケンカすることはありますか?
Sさま:結婚前、木曜か金曜のすごく疲れているときに洗い物が残っていることを指摘されて、「じゃあもう、結婚するのやめる?」と言ったことがありました。
主人はシンクの中を常に空にしておきたい派で、でも私は基本的に手を付けるタイミングが遅くて。思えば、自分が一番結婚しちゃいけないタイプがキレイ好きの人だったんですよね… (笑)。
―その場はどう収まったのでしょうか。
Sさま:主人が「なんでそんなこと言うん?」と言ってくれました。
Kさま:そこを天秤にかけるのはちょっと違うだろうと思って。
正直、居間が散らかっているとか、洗濯がまだとかは優先度が低めなんですけど、キッチンは気になるんです。自分が元料理人なので。
Sさま:だから水回りはもう、お任せしちゃうことが多いです(笑)。
Kさま:僕がシンクの片付けをしている間に、風呂掃除をやってもらったりとか。
Sさま:そうやって役割分担しながらやっています。
Kさま:「まあええか」ってところは妥協しつつ(笑)、日々探りながら2人で住むところを一緒につくっていってる感じですね。
でも「家に帰ったら妻がいる」というだけで、もう“安心感”が段違いです。帰ってきたら他愛もない雑談をしたり、仕事で気分が落ち込んでいるときも励ましてくれたり。それだけでありがたいし、だから毎日頑張れています。
「結婚は楽しい」「人の好みは変わる」
―最後に。今婚活を始めようか悩んでいる人たちに向けて、エールをお願いします。
Sさま:よく言われる「1回は結婚してみたらいい」は本当だと思います。
私も歳を取るにつれて、結婚を焦る気持ちと同時に結婚への不安も大きくなっていきました。だから今、結婚して驚いています。「こんなに楽しいんだ!」って。
Kさま:「人の好みや考え方は変わる」ってことですかね。僕も元々、全然結婚したくないと思っていたんですよ。だから、友人からは「どういう風の吹き回し?」と言われています(笑)。
ふとしたキッカケで「一緒に暮らす人がいたほうがいいな」と思ったなら、まずは活動を始めてみては?と思いますね。
―婚活も結婚も、やってみて初めて分かることは多いですよね。お二人ともありがとうございました。末永くお幸せに!